企業におけるブランド戦略の基本

今時の企業戦略を考えるときに外すことができないのが「ブランド」の構築です。
特定の企業や商品に対してブランドを構築することにより付加価値を作り出すことを「ブランディング」と言います。

企業においてなぜブランディングが必要かというと、あるブランドをもって企業や製品を紐づけすることにより同様の商品に対しての差別化をはかることができ、消費者の購買意欲を増進させることができるからです。

わかりやすいのが化粧品ですが、同じ化粧品メーカーの商品であっても複数のブランドで商品展開をしていることがよくあります。
化粧品業界の特殊性は商品にかかる原価の中に広告宣伝費がかなりの割合を占めているということで、いかにして使う人にとって「これを使えば美しくなれる」というイメージを消費者に植え付けることができるかどうかということが販売数を左右する重要な要素となります。

他にもいわゆる「ブランドもの」と言われるバッグや財布なども、もしブランド関係なく考えればそれほど市販されている製品と代わりがなくても、特定のブランドのロゴがついていることにより一気に価格が数倍にも跳ね上がります。

これは製品そのものの性能だけでなく「あのブランドの製品を使用している」という消費者への強い訴求力が商品の一部になっているからです。

言い換えれば企業側から見たとき、いかに消費者にとって認知されたブランドを作ることができるかどうかが収益に大きく関係してくることになります。

ブランディングをするときの基本的手順

ブランディングができてしまえば収益が上がるといっても、何でも勝手にブランドをつければそれで自然に売れてくれるわけではありません。

特定の商品にブランディングをしていくためには、まずはその製品がどのような層をターゲットにしたものであるかということを考え、どういった方向で競合他社との差別化を図っていくかということを綿密に計画していきます。
ブランディングをするときの基本的な手法としては「キャッチフレーズ」「ロゴ」を独自に作成するということがあります。

さらに宣伝をするときにどのタレントを起用するかや、イラストなどのイメージをどういった雰囲気で作成するかということもブランド構築には非常に重要です。

ブランドは化粧品や服飾品のようにあとからつけるものだけでなく、例えば「青森のリンゴ」や「仙台の牛タン」といったように地域の特産品としてアピールするときにも使われます。

既に全国区で有名になっているような「近江牛」「松坂牛」といったようなものならば特にブランディング戦略をとらなくても販売における大きな訴求力になります。

しかし例えば町おこしのための新たなご当地グルメといったものならば、企業におけるブランディング戦略のように計画的に一般への知名度を高める活動をしていかないとなかなかうまく購入数を伸ばしていくことができません。

ブランド化の成功例から学ぶ

今や企業の商品やサービスだけでなく、農作物や地域観光といったものにまで必要とされているブランド戦略ですが、軌道に乗せるまでの道のりは長く険しいものです。
そこでブランド化に成功した例をいくつかたどってみることにより成功への道筋のヒントを得ることができます。

ここ最近で最もブランド化に成功した例としてあるのが「今治タオル」があります。
今治タオルと言えば愛媛県今治市での特産品ですが、それまで安物で済ませて当然のタオル業界に高級品を購入したくなるような需要を作り出しました。

今治タオルはバブル期に大赤字を抱えることになり一時期は廃業の危機にまで陥ったのですが、その後四国タオル工業組合がブランド化への取り組みを一体となって進めることにより現在のような知名度を得るまでになりました。

今治タオル成功の理由の一つとして「安心・安全・高品質」という世相に沿ったニーズを強くアピールしたことと、特に製品の良さを知ってもらえるようにと白いタオルをメインに据えたということがあります。

他の安いペラペラのタオルの対し、白くこまやかなジャガー織をした今治タオルは非常に魅力的で、東京銀座など高級店に並べることにより一気に人気を博しました。

ブランディング成功例に共通しているのは本来の強みを適切な購買層にピンポイントでアピールしているということです。
製品の強みを理解することがブランディング戦略の第一歩となります。