顧客タイプと異なるアプローチ

販売先におけるキーマンを探す

営業の教科書となるような本によく載っているのが「キーマンを見つける」ということです。
「キーマン」とはその購入先企業における購入の最終権限を持っている人のことで、面白いことに会社の名目上の責任者と同一ではないことがよくあります。

わかりやすい例としては家内工業で仕事をしているところの場合、新しい設備投資をするかどうかの最終的な判断は社長である男性ではなく、経理をしている妻であったりというような場合です。
こうしたキーマンは大企業においてもしばしば存在しており、現在は第一線から退いた相談役であったり、他部署に移動になった中堅社員であったりとさまざまです。

ですので営業をしかけるときにはその企業において購入責任者に最も強い影響を与える人は誰かということを読み取り、そこに働きかけをしていく必要があります。
BtoBの難しさはそうしたキーマンの存在をどの段階で見破れるかということにかかっており、それぞれの事例に応じた対応をしていく必要があります。

一般の顧客にも存在する「キーマン」

BtoBだけでなく、一般の消費者向けの商品においてもそうした「キーマン」はしばしば登場してきます。
例えば子供がいる家庭などで、同じ製品を購入するにしても子供の趣味や安全性などがまず最初に購入決定者(お母さんなど)に対しての訴求効果になります。

大事なのは実際に財布を握っている人と、購入する商品の良し悪しを決める人が必ずしも同一ではないということを理解することです。
その意識を持てるだけでもかなり販売戦略の幅は大きくなります。

起業するために必要なこと

起業して10年生き残ることができるのはわずか6%

不景気ということもありますが、日本においてはあまり「起業家」という社会的地位は高くありません。
本来の経済市場においては新しいサービスやビジネスを開始する企業が登場してくることにより、新しい需要が出てきたり別のビジネスチャンスが生まれてくるものです。

起業をするにしても社会全体の需要がかなり落ち込んだ状態にありますので、これからスタートをしようとする人にとってはかなり大きなハードルになります。

現在年間に起業をする人は約140万人とされていますが、そのうち1年持たせることができるのは40%、5年持たせられるのは15%、10年継続できるのはわずかに6%という非常に厳しい数字も出ています。
この数字を聞くと「やっぱり起業なんて割に合わない」と思ってしまうところです。
しかしそこであえていわせてもらえば、この数字に驚いて「やめよう」と思う人には起業はそもそも向いていないということです。

起業をするなら既存の業種では無理

これから起業をしようと思っている人にまず意識してもらいたいのが「既存のサービスでは勝負できない」ということです。
何かを製造したりサービスとして提供したりする場合、よほどどこかに強みがない限り大手企業に負けてしまいます。

多少サービスがよいとしても今時の消費者は単純に安い価格で利用できる方を選ぶので、そこで太刀打ちをしようとしても物理的に無理です。

起業をして長く運営するチャンスがあるとすれば、今現在は一般的ではない新しいサービスを提供することができるかということです。
また現在ではネットを使った広告や販売が一般化しているのでそれを使用していち早く認知してもらうようにするという速さの戦略も必要です。

いずれにしても見切り発車でのスタートアップは非常に危険です。
資金や人材など必要な要素をしっかりと準備してから展開をしていくようにしてください。

ビジネスに付加価値をつける

「付加価値」に関する勘違い

今時のビジネスの教本でしつこいほど何度も繰り返されている言葉が「付加価値」です。
つまり同じ商品を売るにしてもそのままでは競合する他社が数多くいるため、自社製品でなければ受けられないような特別な「価値」をつけることが大切ということです。

戦略自体はまったく間違いはありませんし、そうしたブランディングを行って成功した事例はたくさんあります。
ですが一方で「付加価値」を誤った方法で解釈してしまうことにより、むしろ顧客やリピーター創出の機会を失っていることもよくあります。

例えば10kgのお米を販売するお店でそのお米を買ったら5kgの水をつけるといった付加価値をつけたらどうでしょうか。
その付加価値をありがたいと思う人もいるかもしれませんが、自力で15kgもの重量を持ち帰らないといけないとなるとそれだけで購入を控えたいと思う人もいるかもしれません。

この場合付加価値を付けるならば逆に「車(自宅)まで運ぶ」といった方向にすべきで、まったく誤った方向へ付加価値をつけてしまっていることになります。

付加価値とはストーリーをつけること

特定の製品に付加価値を付けるときにとても重要になるのが「ストーリー」です。
つまりその製品を購入する人がどういった希望を持っており、そこからどんなふうに満足感を発展させるかということです。

例えばブランドものの洋服やバックなら、それを身に着けて街に出ることで周囲から「センスがよい」「うらやましい」といった視線を受けることを期待しています。

高級品として定着している商品などはそうしたブランド力による付加価値化に最も成功している事例です。
どのような商品・サービスにおいてもそれを使う人の属性や生活スタイルを考えていくことで自ずとその商品に求めている価値が見えてきます。

商品の良さを伝える方法

良い商品=売れている商品ではない

地方に旅行に行ったときによく遭遇するのがいわゆる「ご当地グルメ」です。
最近はB級グルメ選手権といったイベントが開催されるようになったのでそうした隠れた名産品が日の目を見ることも多くなりましたが、それまでは「富士宮焼きそば」や「門司港カレー」といったものは現地で生活している人なら当然に知っていても全国ほとんどの人が知らない食べ物でした。

そうしたご当地限定のグルメというのはそこでしか食べられないという限定品としての魅力がありますが、一方で「もっと知名度が高くなれば売り上げが上がるのに」というふうに思ってしまうような製品も多くあります。

商売の世界においては「良いものは残る、悪いものは淘汰される」という漠然とした認識が持たれていますが、残念ながら必ずしも良いものだけが多くの人に支持されるというわけではありません。
売れる商品というのはそこそこの満足度があり、かつ安く、手軽に手に入れることができるものなのです。

もし「よい商品なのにどうして売れないのかわからない」という悩みを持っているなら、商品の魅力をうまく世の中に伝えきれていないということを疑うべきです。

良い商品を良く見せるのが販売戦略

良い商品なのにどうして売れないかというと、それはずばり「良さをうまく伝える人がいないから」です。
日本人の職人気質の人から聞かれる「良いものを作ればきっと見る人が見てくれる」というのは残念ながら需要が落ち込んでいる現在においては正しくはありません。

世の中の購買意欲が十分に強いならば買いたいという人が探しに来てくれる可能性はありますが、現在の状況では売りたい方が積極的にアピールしに行かなければ「じゃあ買ってみようかな」という気持ちになってくれることはありません。

自社製品の良さを伝えるためにはまず「誰に」「どういったシチュエーションで」「どう使うとよいか」ということを明確を示す必要があります。
言いかえれば、よりよく良さをわかってくれる人に訴求をしていくということです。